真夜中の盗賊団 -3ページ目

十三金短考

本題に入る前に、まずはこちらの過去記事をご覧ください


「一服してくる」
とBBQの輪を出て行ったマサキに気づいいた雪江は、
クーラーボックスに張られた冷水からビールを2本引き抜いた。
水滴をタオルで手早く拭き取り、指先を痛いほど凍らせる缶の冷気に耐えながら
燃える炭火のように若々しい熱気を撒く集団から離れると、
夜の山を吹きわたる涼しい風が女の肌に一瞬、小さな粒を浮かばせる。

気になる男の隣に座りたい。そんな気持ちを自分自身で打ち消すように
私も少し疲れてるんだし、と不自然な思い込みを作りながらも少しだけ足が重い。
さらさらと葉音を鳴らす樫の木の根元に蛍が浮かぶように、
座ってタバコを吸う男の影がある。
「ほら」男から目を逸らしつつ缶ビールを隣に置き、自分も隣に腰掛けた。
返事はない。
「・・・多恵と健二、仲いいねえ。やっぱりくっついてるのかな?」
他愛もない話題を投げかけてみても、マサキは返事をしない。
ただタバコの香りがただよってくるのみだ。
「ちょっと、あんた」
軽い非難の声をかけようとマサキを振り返った雪江の目に映ったのは、

テントを固定する鉄の杭を口から打ち込まれ、樫の木に頭を釘付けにされたマサキの姿だった。
表情は驚きの表情のまま瞠目して凍りつき、
杭を刺される時に異常な力で蹴りこまれでもしたのだろう、鼻の頭が汚れて潰れている。
指に挟まれたタバコはフィルター近くまで長い灰を作り、音もなく落ちた。

『クリスタル・レイクキャンプ場』と書かれた看板の脇に並んだ車は持ち主の知らぬまま、
タンクに開けられた穴からガソリンをどくどくと垂らしている・・・



というわけで、秋の夜長はやっぱりホラー映画。ホラーといえばジェイソンさん。
僕の大好きな、13日の金曜日シリーズについて所見を述べさせていただきたいと思います。
ここからは13金シリーズ、特に「フレディvsジェイソン」およびリメイク版の
ネタバレがあります。
気になる彼といっしょに話題のホラー映画を観て、腕に抱きついちゃおう!
 「ゴメン・・・ぁ・・・顔、ちかぃょ・・・」
 「え、待って、やだ・・・(´∀`;)」
 「んっ・・・(大成功p(^-^)q)」
  フレディ「ウェルカムッ!」
とか考えてる方は、映画をご覧になったあとアクセスされることをお勧めします。


1980年の銀幕デビュー以来、クリスタルレイクに来るリア充どもに手を変え品を変え、
胸のすくような手法を持って天誅を下してくださるジェイソンさん親子は
アメリカ・日本を中心に、鬱積した感情をくすぶらせる非リア充達に
英雄として大々的に支持され、ホラー映画史に燦然と輝く金字塔を打ち立てます。

暗闇の中から突然現れイケメンの頭にでかいナタを叩き込むジェイソンさん。
バックで青姦を楽しむDQNカップルをボウガンで射ぬいてくださるジェイソンさん。
さぞや1980年代当時の映画館ではモテない男女が席を取り合い、
殺人シーンの度にポップコーンが舞い、
「YEAH!やったぜ!」とか絞り出すような「イィヤァァ~~ス」などと
大きな歓声が上がっていたのではないでしょうか。

まあでもシリーズが続く事にやっぱり冗長になってしまって、
毎回死ぬけどちょっとした刺激で復活し、超能力少女と対決しちゃったり、
なんか悪魔に取り憑かれて不死身に肉体を手に入れマジカル殺人鬼ジェイソンさんに変身、
溶かされようが対戦車砲でバラバラにされようが次回作では主に落雷とかの電気系で復活し
最後は宇宙船の中で覚醒、科学の力で宇宙空間でも余裕な無敵の超生命体に進化して
殺戮をエンジョイし始めるとかもうどうなってるんだと。
サイボーグ役の人のドヤ顔が印象的な映画でした。
子供の頃、クッションを抱いて震えながら観てたんだけど、襲われる子供の吹き替えが
ハットリ君の中の人で、思わぬ所で笑いが入ったのはいい思い出。

そんな中でもひどかったのが冒頭に上げました「フレディvsジェイソン」。
まあもちろん、最近よくある対決系リメイクにクオリティは求めないんですが、
基本的にホラーとしてよりバトルものとして捉えたほうがいいんじゃないだろうか。
暗闇からこちらをうかがうドキドキ感とか、うわーこの空気、くるわジェイソンみたいな
ハラハラ感は刺身のツマ程度につけられていて、それどころかジェイソンさん、
野外パーティーに乱入して無双しちゃいますからね。ジェイソン無双。
もう駿馬にまたがって出てきたり、ライフが減って肉まん探したりしだしても驚かない。
フレディ「なんたる豪傑よ!」みたいなキャプション入っちゃったらどうしようとか。
そんでいろいろあってフレディと決闘。お互い無敵の肉体と武器、
さらには周りに配置されたアイテムを駆使しての殺し合いに発展するんですけど、
もうこれがとにかく痛そう。血がぴゅっぴゅ出る。いろんなもの刺さる。
「こわぃょ~」じゃなくて「いたたたたたた」が感想になる映画です。

対して、結局見たのが最近になっちゃたんですけど2009年リメイク版。
ストーリーは若干変わってるんだけど改悪されているわけではなく、
邪険で神経質で嫌味な金持ち青年とかも出てきて、
しょっぱなからフラグの立ちっぷりがはんぱない。
ふんだんに盛り込まれたゴシックホラー的な演出と相まって、
ジェイソン先生のリア充退治を十分に楽しむことができる作品に仕上がっており
さしもの貧乏な夜盗さんも記事をアップしたら、アマゾンでポチる気になっております。
また、マジカルモンスター化する前でただのガタイのいい殺人鬼のジェイソンさんは
普通に人間として動いていて、それが逆にリアルな精神的恐怖をも与えてくれます。
暗がりから唐突に走り出る巨体の恐ろしさよ。
だっていやしない残機数無限・リセットし放題のモンスターより、
覚醒してほんとに無差別殺人始める可能性がある人間のほうがリアルじゃないですか。

そもそも第1作とか、ジェイソンさんすら出てこないですからね。
2作目から出てくるんですけど、最初は穴の開いたずだ袋みたいなのかぶってて
そっちのほうがこえーよ、と思うんですが。

秋の夜。恋人とすごす長い夜、ロマンティックな恋愛映画もいいかもしれませんが
たまには自然にくっつける率が跳ね上がるホラーなんてどうですか?


クリスタルレイクキャンプ場のバンガローなんかで観るといいですよ!




再開、俺vsうみのいきものたち

鹿児島市。九州南部に位置する鹿児島県の県庁所在地。
人口はこの程60万人を突破し、市内にはパチンコ屋と
売れてんだか売れてないんだかわかんないマンションが林立する。
そのくせ市街地から10kmにも満たない海中からは現役の活火山さんがそびえており、
今でも普通に噴火する。
ちなみに鹿児島湾、通称錦江湾と呼ばれる九州を深くえぐるこの湾は
25000年の超大昔、桜島さんが20倍界王拳に匹敵する、
怒りの超絶大噴火を執行した結果できたものなんだそうだ。
いや、あん時はほんとに大変だった。地球ぶっ壊れるんじゃないかと思ったわ。

その時の規模とは程遠いが、大正時代にも大噴火して陸地とつながってしまい、
正確には元・桜島と呼ぶべきなのではないかと私は常々思っている。
そんなところにも住んでる人がいて、一歩間違えば第二のポンペイになりかねないんだけど
桜島と鹿児島市街ってマジでそんなに遠くないからね。
鹿児島市民どんだけマゾなんだと。


さて、そんな鹿児島市のド真ん中、繁華街まで徒歩15分、
バス通勤ざまあwな環境ですくすくと成長してきた夜盗さん。
今でこそ颯爽と都会の風を振りまいて歩くチョイ悪シテーボーイだが、
ご幼少のみぎりはそれはもうしょっちゅう海に行き
悪友達と共に釣り糸を垂れ、大量のアジ・サバ・イカ・カサゴ・カワハギ等を殺戮し、
変な巻貝を集めて煮て食って腹壊してみたり、
岩牡蠣を石で割って食ってみたり、最終的にはテトラポットの穴に魚を追い込んで捕獲する
テトラ漁法を独自に編み出したりしてた。そしてとりあえず食ってた。
その頃は、周辺海域の生態系のトップに立っていたことは間違いないだろう。
いつだったか海で拾った何か妙なもの食べて、2・3日全身がブツブツしてたこともあったが。
ちなみにカサゴは天ぷらじゃなくて鍋がおいしいよ!フワフワしてて。

そんな夜盗さんも中学・高校と進むにつれ徐々に色気づき、いつしかあれだけ行ってた
海の生き物との対決も忘れていった。
鹿児島に帰ってきてからは行きたいな、と思っていたが、
今日機会があってほんと15年ぶりくらいにイカ釣り行ってきたんですよ。エギング。
そう、要は釣りにいってきたよー!ということが言いたかったのである。

イカ釣りに使う餌代わりの囮、アレをエギという。餌木ね。
エギingでエギング。エギングをやる人はエギンガーというらしい。エギンガー(笑)
ものすごい久々だったんで自信がなかったけど、一緒に行った人の動きを観察し、
聖闘士に一度見た技は通じぬので一瞬にして習得。
イカとの戦いが始まった。時は大潮の夕刻。勝敗は大いにこちらに傾いている。
むろん片手のiphoneで「エギング入門」のサイトを開き、
対イカ戦情報を仕入れることも忘れない。

そうこうするうちに、水中を漂う美しいエギに騙された
バカなイカ野郎が接近するのを肉眼で確認。
パターン青、イカですってやかましいわ。

堤防からイカの目すら見えるほどに夢中でエギちゃんを追っている。
軟体動物門頭足綱十腕形上目(イカのこと)め、
今そのいやらしい漏斗からたっぷり墨を吐かせてやるぜ。
そしてイカの闘争心を刺激するべくエギに「逃げ」の動きをとらせた瞬間、



                 イカ「やっぱいいや」


めっちゃ華麗にスルーされました(^p^)
華麗にスルーという言葉はコイツの為にあるかのような見事なスルー。
完全に興味本位の接近。
「いや、別に腹減ってねーし」というイカの声が聞こえてくるようであった。
その後も「ほら!おいしいよ!小魚おいしいよ!」とイカを誘うものの、
一度だけ寄ってきて「フーン」と再度スルーされるのみであった。

僕も、こうみえてかつては近所の海沿いの魚介類を震え上がらせた肉食系男子である。
沖縄の島で海蛇に追いかけられて死ぬかと思った事がある程のハンターである。
無人島に漂着したら、一人で文明築きあげて
近隣諸国の脅威になってやるよ位の気概はいつでも持っていたのだ。
それがイカに、イカごときに舐められてたらやってらんねえんだよ!
絶対にするさんぞゲソ共!
一匹残らずイカ飯にしてくれる!
内臓で塩辛作って3ヶ月ほどじわじわとなぶり食いにしてくれるわ!!
むしろ食わずに液晶にしてやんよ!

とイカりにかられ、釣りのおじさんにいろいろ聞き込みとかしてきた。
先月は120杯/月釣れてたらしいけど今月はだめなんだって。なんだよ。

これからしばらくエギングにハマります。明日釣具屋行く気マンマン。
費用対効果高いし!


ちなみに釣りのおじさんにおじさんって言ったら怒られた。


ゴーストハンド

幻覚じゃないはずだ。
飲んだのはビール一缶。いや、幻覚だったほうがまだましか。

昨日2時ごろかな。
花火行ってない同士の友人と、なんとなく夜中くだらない話に盛り上がっていたんですよ。
ベッドに座って、缶ビールを傾けながら。
で、他愛もないジョークにアハハと笑った時。

目の前に演奏でたまに着るテーラードジャケットがかけてあるんですね。
それが目に入った瞬間、ふと気づいた。



片袖から手が出てる



2秒ほど見入り、「おーい?」という友人の声で我に返った。
はっとして、「あ!おい!大変だ!」と叫んだ瞬間には手はもう半分くらい袖に入っていて、
見る間に指先だけになり、なんていうかこう段階的に?袖先の中へと消えた。

その後電話で友達に付き合ってもらいながら、ジャケットをおそるおそるめくったが、
当然なにもあるはずもなく、結局恐怖に駆られた僕は友人を4時ごろまで電話につき合わせてしまった。
異様な体験をさせてしまったT君すまぬ。

ちなみに指は若干節くれて、黒い産毛が目に付いて、少し弛緩していたが血色はあった。
(明かりの関係もあるだろうけど)
みるからに男の手だった・・・

ジャケットは一応仏間においてお香炊いたり神棚にヘルプしてみたが・・・
あんまり着てないのにどうしよ・・・


この話は・・・








画図百鬼夜行全画集 by鳥山石燕 という本を読んでて思いついたフィクションです。
少し涼しくなったかなーみたいなw
そんだけw

某有名SNSに絶望した!!




所詮海外のパクリか・・・
でもライブ告知はしなきゃなのでアカウントは残しますどねえっ

えーと、今日は、そちらで書いた印象に残った記事をサルベージしてアップしてみました。
向こうにおいといてもねって感じだし。

でもちょっとこれからもうちょっと真面目に書こうかと思っているのですよ!
いろいろとばれつつあるし!

というわけで明日からがんばります。
おやすみー・・・

iPhoneからの投稿

ゆたぽんの女(ひと)

年末からtwitterにとりつかれ、なうなう言ってる真夜中の盗賊団です。
みなさまあけましておめでとうございます。
いやー、すげーわツイッター。

さて、昨日の夜、久々にベストにリボンのバーテンがいるちゃんとしたバーに赴き、
カクテルを傾けながら大人の夜を過ごした僕。
たまたま席が隣り合った女性と語り合い、
「もう遅いわね」
俺「次を飲んだら出ようか」
「いいわ。何を飲もうかしら」
俺「ギムレット、・・・もう早すぎる年じゃない」
「強いのはお酒だけじゃないのね・・・乾杯」
そして外に出ると、深夜の鹿児島に雪が落ち始めていた。
俺「次はいつ会える・・・?」
俺「雪が・・・やむころかしら」
俺「明日の朝・・・かな?」
俺「ふふ、・・・ずるい人」

ウソです。
そんな昔のルパン的展開などない。ましてや平日でござる。
一人で飲んだくれてました。
でも雪は降ってた。

軽く遭難するんじゃないか、という恐怖感におびえながらなんとか帰宅した僕の体温はもう氷点下、
女の子並の低血圧の僕は当然冷え性で、とてもじゃないけど眠れない。
そこで今年というか今年度初になるゆたぽんを起動させることとした。

ゆたぽん。
株式会社白元が販売しているジェルタイプ湯たんぽである。
レンジでチンして僕ゆたぽん、というCMが昔あったのだが、
僕のゆたぽんには温熱ジェル以外の青春の思い出がつまっているのであった。

僕の心に巣くう一人の女性。いままでいろいろあったし、彼女との時間は短かったけど
おそらく一生忘れることはないだろう。
バレンタインデーを皮切りに付き合い始めた僕らの付き合いは、
まだ固まってない手作りチョコムースを帰りの満員井の頭線で
どうやってこぼさずに持って帰るかというミッションを最初の思い出に始まった。
布団の中で足が触れた時、彼女は僕の足が異様に冷たいことに気づいたのだろう。
次のデートの時、彼女は見慣れぬ箱を持ってきた。

それこそが、レンジでチンしてぼくゆたぽんであった。
ゆたぽんは早春の冷え込みで痛む僕の足を毎晩、
7時間の持続時間をフル活用してやわらかく温めてくれたのであった。

彼女は一つ年上で、別れてから7年。いまやもう結婚しているかもしれない。
涙の別れをした僕らだが、ゆたぽんをレンジでチンしてベッドに入れると、
彼女の温もりを思い出す。
いつか僕にこの人は、という人が現れたら、きっと僕も、彼女にならって心を込めて送るだろう。

レンジでチンしてぼくゆたぽん(Lサイズ、¥1200くらい)の温熱ジェルに、愛を込めて。

ちなみに僕の成人式の時も地元は大雪で、タクシーもバスも動かずに歩いて帰る事を余儀なくされ、
実家に帰る坂で遭難しかけたことがあります。
マジスーツとコートでスキー場を登ってる状態。