手にしたことはなかったはずなのに
読み始めたら、やっぱり読んだことのある本だった。
「他一篇」を収録して再版してあるのかな?
国が、自殺抑制プロジェクトのために
無差別に選んだ子どもに、5歳で手術を受けさせる。
本人は知らない。心臓の手術という説明がされる。
親は知っているが、逆らうこともできず
手術後5年間は、何も知らないふりをして
今まで通りの生活をしなければならない。
その手術とは、心臓に特殊な電子機器を取り付けるもので
スイッチを押せば、心臓が、止まる。
10歳になると、手術を受けた子供たちは強制的に拉致され
スイッチを渡される。
自分の、命のスイッチ。
子供たちは毎日同じ生活を送る。
独房のような部屋で一人で過ごし
午後になると他の子供たちと交流できる部屋で
半日を過ごすのみ。
テレビもない、遊具もない。
監視がつき、外との接触は遮断される。
初めは大勢いた子供たちは
だんだんと精神がおかしくなったり
さびしさに耐えられなくなったりして
スイッチを押してしまい、少なくなっていく。
どういう状況になるとスイッチを押すのか。
自ら死を選ぶのか。
それを研究するためのプロジェクト。
物語は、そんな状況のなかで残った
17歳になった4人の子供たちが中心になっている。
この4人の子供たちを支えていたのは
誰かとの約束だった。
いつか、鍵を返すんだ・・・
いつか、一緒に絵を見に行くんだ・・・
いつか、必ず体の弱い弟に会いに行く・・・
結局 誰かとつながってることで
強くなったり、希望を捨てなかったりできるのかもしれない。
4人の子供たちが、ある人に導かれて脱走し
その約束を果たした時
「もう、いいよね・・・」と言ってスイッチを押してしまう。
ここで捕まったら、希望がなくなる。
行き続けることはできても、ただそれだけ。
やりたいことがある
目標がある
約束がある
伝えたいことがある
そういうものがあるから、人は死なないのかもしれない。
夢や希望って、大きなものばかりじゃなくて
どんなに小さなものでも大切で
そこには必ず「他者」が関係してると思う。
人は人の中でしか生きられない
というような言葉をどこかで読んだと思うけど
まさにその通りだなぁ・・・と。
脱走を導いた人もまた、すごく重要なんだけど
そこは内緒で![]()
