
ストリートボール界お得意の“半地下の家族”スタイルにて、目下パラサイト中の新豊洲「TOKYO SPORT PLAYGROUND」。そこで行われた日本初の試み、名は体を表す「TOKYO STREETBALL SUMMER LEAGUE」が先日完結。


ストリートの強豪10チームの頂点に立ったのは、血走った目で毎回東北から南下してきた「S.H.U SENDAI」です。
始まる前はS.H.Uが優勝するとは正直思っていませんでしたが、初戦から“こいつら前のめり具合が他と違う”と思わせる迫力があり、そのまま最後まで突っ走りましたね。お見事でした。
実際に会うのは週に1度か2度でしたが、日常を共にしている感覚になり、疑似家族のような感覚が芽生えてきますね。
そして血走った目で集まってくる選手達を迎えるために、受付という「玄関」、オフィシャルという「台所」、コートという「大広間」が作られ、そこでゲームという「食卓」をみんなで囲んでいるような雰囲気となっていきます。
選手達が毎回こさえる男飯は、味が濃くて胃がもたれますがとても美味しかったですね。



もちろん選手達も頻繁にゲームを行うことで変化や成長が見られますし、砂漠のコモドオオトカゲと同様に、環境への適応も進みます。“次の向けて調整が随時できるから有難い”、そうUNDERDOGのNao君が嬉しそうに話していましたね。このサマーリーグだけの独自の戦い方が研究・発明されていきます。
このご時世、安定して試合がある日々がどれだけ贅沢なことかは、今回参加したコモドオオトカゲ達は身に染みて感じているようでした。
今回のリーグも毎回終わる度に、もっと良くできる箇所が見つかり、それがすぐ翌週に改善できるので、イベントの質も日に日に向上していきました。
設営→運営→撤収の円滑具合や、備品や演出アイテムの拡充、選手達へのより良いプレー環境の提供など、細かな点の改善が常に行われ、イベント全体の完成度はどんどん向上。
もしも観客がいたのなら、最終的にはとんでもない盛り上がりになっていたのではないかと思っています。





“バスケイベント全体の完成度”とは、選手と運営それぞれの立場での努力(本来であればここにプラスで観客の盛り上がり)、それが呼応することによる相乗効果、そしてその背景にあるお互いへの信頼関係によって決定します。いわばバンドみたいなもので、それぞれの阿吽の呼吸の演奏が相まって分厚いGROOVEが生み出されます。
その為には同じ空間・時間を長く共にするのは必須なので、「リーグ戦」の持つ強み、可能性を痛感しました。ALLDAYでは味わえない独特の一体感は、これまたALLDAYとは風味の違う幸福感と充実感を関係者全員にもたらしてくれたのでした。
こんな爽快な夏の終わりは生まれて初めてでしたね。
今回のサマーリーグ実現にも尽力して頂きました。
いつも現場では設営から撤収まで手伝って頂き、イベント中も温かく見守ってくれています。そんな彼は、実は初期のS.H.U SENDAIメンバーであり、“まだ実家にユニフォームがある”とのこと。
そんなMOTOKI氏の経歴を現メンバーは知る由もありませんが、今回優勝することで図らずも恩返しになっていたのでした。そんな数奇な伏線回収が生まれるのもリーグ戦ならではと言えます。
来年も無事開催されたのなら、より多くの参戦チームと陽気な観客と共に、豪勢な食卓をワイワイ囲みたいですね。