
バスケイベントの主催者側は、ある意味バスケを人質に取っているわけで、ひたすら“頼むから俺にバスケをさせてくれ”と懇願するストリートボーラー達を自由に操れることとなります。
それを利用して、あたかも研究室のラットかのように、様々な状況下で連中にバスケをさせてみて、一体どうなるかの実験を行います。
一番贅沢な体育館での5対5なんて滅多にやらせず、街で平らな場所を探してきて、1対1だったり、2対2だったり、3対3だったり、1対全員だったり、色々試してみてラット達がどうするかを観察。




そしてゲーム内容だけでなく、環境面でも負荷を加えてみます。さすがに電流は流せないので、代わりに用意するのは例えば炎天下。
一番贅沢な体育館での5対5なんて滅多にやらせず、街で平らな場所を探してきて、1対1だったり、2対2だったり、3対3だったり、1対全員だったり、色々試してみてラット達がどうするかを観察。




そしてゲーム内容だけでなく、環境面でも負荷を加えてみます。さすがに電流は流せないので、代わりに用意するのは例えば炎天下。
自分が最初のこの実験に参加したのは2003年8月の沖縄。
連日に渡り、南国の真夏の真昼間の屋外で本人達にコートを建てさせ、そのままゲームを実施。検体達は無知と若さとアドレナリンでなんとか乗り切っていましたが、“これはさすがにキツくないか”という空気も若干漂っていましたね。


その後、沖縄の人に助言されたのが、“8月は暑すぎるから地元の人は外出ないよ”。


その後、沖縄の人に助言されたのが、“8月は暑すぎるから地元の人は外出ないよ”。
“ですよね”という事で、翌年は全く同じ会場でしたが、10月の夕暮れに開催したのでした。



その後も実験は毎年定期的に行われます。
例えば2006年8月の横浜国際プールでは、冷たいプールには一切近寄らせず、猛暑極まる外の広場でゲームを実施。


もちろんトレーナーさんも冷却用品も待機している状態でしたが、ある選手がタフな接触プレーで転倒。
スタッフが熱中症を懸念して即座に駆け寄り、氷が詰まったゴツゴツしたビニール袋で頭や首をグリグリと撫でまわし、その冷たさと氷の角の痛みで飛び上がるという反応を、ここでは確認できました。



最近のケースですと、豊洲のTOKYO SPORT PLAYGROUNDにて先日行われた「UNDEFEATED HOOP DAY」。
映画『スペース・プレイヤーズ』の公開を祝して行われたイベントで、豪華なプライズまである5on5のピックアップゲームをぶら下げて、選手達をおびき寄せました。

この日は梅雨の真っ只中にもかかわらず、ゲーム中はまさかの快晴。そしてかなりの炎天下。どんどん上がる気温に、朝の設営時点から“今日はやばいぞ”といった会話がスタッフ間でなされていました。

この日は梅雨の真っ只中にもかかわらず、ゲーム中はまさかの快晴。そしてかなりの炎天下。どんどん上がる気温に、朝の設営時点から“今日はやばいぞ”といった会話がスタッフ間でなされていました。
これは今回も期待できますね。


いざゲームが始まると、最初はウキウキの様子だった選手達も、徐々に“こんなキツかったっけ”と表情が曇りだしていきました。それもそのはず、炎天下のもとでフルコートでのハイレベルなピックアップなんて、振り返れば2019年の夏以来のはずです。


しかし信頼できる検体達は、途中のゲームでは適度に力を緩めコンディションを保ちつつ、最後は拮抗したバチバチのシリアスゲームを展開。ラットが回し車を無我夢中で走るかの如く、見事にかんかん照りのコートを駆け抜けたのでした。
むしろ心配だったのは、直射日光に晒されながら応援してくれたバッグス・バニーとローラ・バニーの方でしたね。


ストリートボーラー達に負荷を加えて反応を観察する謎実験。
これを行うと、2つの反応が毎回検出されます。
それは炎天下や極寒や強風といった受難が降りかかろうと、「バスケさえできれば最高」という快活な感情と、やるからには「絶対にNO EXCUSE」という確固たる信念。
単純なようで実は大いなる救いを内包した反応です。
単純なようで実は大いなる救いを内包した反応です。
なるほど実に興味深いので、今後も実験は継続される予定となっています。
