仮エースという男 | DJ MIKO blog

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BASKETBALL & STREETBALL

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それなりに歴史を重ねてきた日本のストリートボール。そろそろ「歴代最強の選手は誰なのか」といったテーマを語ることも可能になっています。

もちろん人によって意見は異なりますし、そこがこの手の話題の楽しいところですが、歴代最強の一人として必ず名前が挙がるであろう人物が、「仮エース」という男です。

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ぬまさん率いる柏の「勉族」。

2000年代前半、FAR EAST BALLERSがイベントや大会に出るとよく鉢合わせた厄介なチームです。この勉族にある時から加わった男が仮エース。

最初の遭遇は2005年7月の「HOOP IN THE HOOD 平塚」で、決勝がFEB vs 勉族。

接戦の末、なんとか勝利できてメンバーは大喜びでしたが、帰りの車内で“あのふざけた名前のヤツ、バスケ上手いな”と話していたのを覚えていますね。
ただでさえ厄介なチームが、さらに手強くなったのでした。

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加入時点では「仮」のエースだったその男は、その後めきめきと頭角を表していきます。

そして2005年10月に創設したプロ・ストリートボールリーグ「LEGEND」とも契約。

シーズン1の途中、オープンスペース中心の同リーグが初めて行った箱イベント@クラブチッタで、最初の「大爆発」を人々に見せつけたのでした。会場中が“なんなんだこいつは”と騒然となっていましたね。

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しかしそれはまだ仮エースの凄さの半分で、シーズンを重ねて徐々に表れてくる「掴みどころのなさ=狂気」に、観客は魅了(=爆笑)させられ、対戦相手は心底恐怖することになります。

そしてその狂人キャラに乗っかって、いつしかLEGENDプロデューサーがドンキかハンズで調達してきた被り物を毎回用意するように。

控室では“なんすかこれ”、“またっすか”みたいな鈍い反応なのに、いざ本番になるとノリノリでコートに登場。
視界が悪かったり、動き難い格好にも関わらず、相手が絶望するまで点を取りまくる強大な力を見せつけるのでした。

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さらに、被り物を取ったらいよいよ本気モード、そんな毎回の展開もLEGENDのエンタメ性を上げてくれていましたね。

急に踊ったり奇声を上げる隙だらけの狂人に、完膚なきまでに叩きのめされる相手には同情しかありませんでしたが、文字通り最凶の選手としてリーグの頂点に君臨し続けたのでした。

2008年のシーズン6、完全に惨殺されたDELAが、試合後のインタビューで呟いた感想がその存在を物語っていますね。

「なんかもう、怖いなと思った…」

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ミーティングやインタビューで突然良いことや的を得たことを真面目な顔で言ったりしますが、明らかに口先だけ。大舞台でも緊張した様子もないし、試合に勝っても負けても感情を表に出しません。本当に捉えどころのない男です。

そんな彼の本音や本気が唯一垣間見れたのが、シーズン7のGRAND CHAMPIONSHIP。

個人参戦・個人ランキング制の3on3リーグであるLEGENDのグラチャンは、レギュラーシーズン終了時の上位4名が王者候補となり、5位以下の選手の中からドラフトを行い、その4チームによるトーナメントで最強の1人を決定します。

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それまでのシーズンは“俺がいないと工場が回らないんで”と、のらりくらりと出場していた仮エースが、シーズン7では工場が安定したのか割と多く出場。最終的には、初めて王者候補としてグラチャンに挑む事となりました。

そうなるとさすがの彼も全力です。
結果は優勝したM21チームに負けてしまいましたが、いつもみたいにふざけていても隠せない緊張感や、負けた後の表情から滲み出る悔しさは「仮エースも人間なんだ」とある意味安心しましたね。

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いま活躍する選手達は、彼が全盛期の頃と同じ時代ではなくて幸運だと心から思います。

内臓脂肪が詰まったポッコリお腹、アップもろくにせず、カツラかマスクを被って登場。なのに止められない。観客はそれを見て大笑い。そして勝利も奪われる。こんな拷問を想像できるでしょうか。

DELAに会った際にその時の気持ちを是非聞いてみて下さい。

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まだまだ全体的に粗削りでありながらも、色々なタイプ、様々な特殊技能の使い手達が入り乱れていた2000年代のストリートボールシーン。

なのにその誰もが封じ込められなかった仮エースという怪物。もし現在のコートに召喚されたとしても、そこでは対戦相手の悲痛な叫びと観客の笑い声がこだますることになるでしょう。

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