久しぶりに芝居の舞台を観に行った。
俳優座劇場だ。
まだ俺が劇団員の頃、舞台を選ばず観に行っていた頃なので
だいぶ前すぎて場所やら何やらもう覚えていなかった。
JAZZダンサーの先輩でもあり
劇団の時の大先輩、藤浦さんが出演するとの事で
お誘いがあり観にいかせてもらった。
出演者に
THE CONVOY(ザ コンボイ)の瀬下尚人さんと
元ジャニーズのMusical Academy(MA)の町田慎吾くんが出演してると知り
それだけで尚更楽しみになった。
ただ、話が忍者ネタというだけで
しかも「その二」とあり
ストーリーや方向性がどういったものかはさっぱり分からず観た。
結論から云うと
想定外に面白かった。
本当に笑ってしまった

【しまった】という言い方は良くない気がするが
僕個人で今後作っていきたい舞台や作品には笑いが絶対に必要で
演出家としても観ていた自分が声を出して大笑いしてしまった、という
何とも悔しい(笑)感想なのだ

芸人さんがやる様な笑いではなく
役者がステージとして計算しつくして出来た笑いは
アート(芸術)でもある。
面白い人が出てきた、というだけで客は笑う準備をするが
役者はそうではない。
そこから笑いにもっていくには登場してから時間を要する人もいる。
そして役者として「人格」(演技プラン)を創るから
面白い発言をするならばその理由まで創り上げる。
そう考えると
群を抜いていたのは瀬下(ジュリ)さんだ。
オカマキャラがホントなのか?と感じるくらいに自然で
その上面白い。
前から踊れて歌って演技の出来るスーパープレイヤーだったが
こんなに面白いなんて…

開演してから入ってきたお客さんいじったり
アドリブも出来るし
最後にはタップダンスもやったり
もうレジェンドですね。
久しぶりに会ったら「だいーーー!」
と喜んで下さり
近況を聞かれたので
最近は脚本書いたり演出とかしてました。
といったら
「俺、(大の演出する舞台に)出させてよ。」
と、リップサービスだと思うけど、有難くもそんな事を言ってもらいましたね。
そんなこんなで
その後は藤浦さんに誘われ、たまえちゃんと藤浦さんのJAC時代の後輩さんと居酒屋に行く事に。
(写真手前の)たまえちゃんとは藤浦さんと出会った劇団の同期。
厳密にはたまえちゃんより一期先に俺が入ったらしいが(笑)その辺はあまりこだわらない劇団だった。
しかし藤浦さんとは格の違う扱いで
僕らはセカンドメンバーと云われ
スーパーダンサー藤浦さんには手の届かない存在であり
今こうやって居酒屋で飲んだり出来る事が不思議なくらい、当時は遠い存在。
その藤浦さんが飲みながら
今回の演出家の話をしてくれて
この大笑いした面白いステージの裏に
それこそ血の滲む様な苦労があった事を教えてくれた。
ここで詳しくは語らないが
やはりショービジネスというのは
そうあるべきなのだろう
稽古場が楽しいなんていうのはぬるく
お客の為に努力を惜しまず、ヒーヒー言いながらも作品に没頭しなければ
その成果はステージに表れない
と改めてそう思えた。
先輩達が本当に凄い事をしている。
それに感化されなければ腐っているのだろう。
言葉ではうまく言い表せない
そんな刺激をもらった。
町田クンには会えなかったが
彼も事務所にいた時以上にオーラを放ち
大袈裟な言い方で云えば
魂を燃やしている様にも見えた。
いいステージを観た後は
やっばりちょっと悔しい。
でもこの悔しさは嫉妬でもなく後悔でもない。
俺、これから必ずやるから見てやがれ
みたいな【熱い想い】が今すぐ出せないもどかしさ
みたいなもの。
色んなもの蓄えて
魅せつけたい
そんな思いになった元気になる
素敵なステージでした。
ありがとう先輩達…!!!