「晩秋はブラームスの季節」ということでこのエントリー立ててみました。晩秋といってももう世の中はクリスマス気分ですが、近年は温暖化の影響でなかなかブラームス気分にならなかったりするので12月までずれ込んでしまいました。
「哀愁のブラームス」の、その魅力が最も凝縮されているのが「クラリネット五重奏曲」ではないでしょうか。以前グールドのブラームス間奏曲集のCDを取り上げた時(http://ameblo.jp/deedah/entry-10070102824.html )、ブラームス晩年のピアノ小品集(作品116~119)が、全てのピアノ曲の中でベスト3に入るほど好きと書きましたが、この曲の作品番号は115。やはりブラームス晩年の名曲の一つです。
モーツァルト : クラリネット五重奏曲
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アルフレート・プリンツ(cl), ウィーン室内合奏団
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僕が持っているのはこの一枚。
それにしてもこの曲は素晴らしい。第1楽章のロ短調で奏される最初の主題からその憂愁の世界に引き込まれるわけですが、第2楽章のアダージョでは哀しみを通り過ぎて諦念にまで至っているほど。この楽章の、ジプシー音階を使った中間部では、オリエンタリズムも感じます。

この曲は上記のように同じ編成の、モーツァルトのイ長調K.581とカップリングされることが多いのですが、これについてはもう形容する言葉がないですね。「神品」としか言いようがありません。
曲自体は早春がぴったりでしょうか。全曲穏やかな調子で、僕でも全曲メロディーを諳んじられそうなほどシンプルなのに、決して誰にも真似の出来ない音の世界。晩年のモーツァルトといえば「無色透明の美しさ」,そして「悲しみを湛えた長調」(ことにイ長調)が特徴ですが、それが凄みすら帯びているほど。モーツァルトの天才の天才たる所以が最も表れた曲といえます。

この曲の往年の名盤といえば
モーツァルト:クラリネット五重奏曲
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レオポルト・ウラッハ(cl), ウィーン・コンツェルトハウス四重奏団
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このウェストミンスター盤ですが、これは聴いたことがない。ただクラリネットの音色を味わうにはステレオ録音の方がいいような・・・

最近気に入っているのはブリュッヘン盤
言うまでもなく古楽器による演奏で、バセット・クラリネットはヘプリック。やはり僕は古楽器の音色が好きなのですね。
そしてこの盤のカップリングはこれもモーツァルト晩年の名曲、「クラリネット協奏曲」。オケは18世紀オーケストラ。

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それにしてもこれらクラシックの名曲で聴けるクラリネットの音色の高貴なこと。これがチンドン屋の、ひょうきんで、でもちょっと物悲しいあの音色と同じ楽器とはとても思えません。