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メグ?



俺の髪は、泡にまみれたままだ。



目を閉じたまま、無意識に後ろを向く。



そのとき、俺の耳元で囁く声が聞こえた。



「ユート……ただいまだお!」


「え、エンジェル?」



俺は出しっぱなしにしたシャワーのお湯で、素早くシャンプーの泡を洗い流す。



中途半端な状態で目を開く。



シャンプーが目に染みて痛い……。



でも……俺の目の前には誰も居なかった。



エンジェル……君は……まだ居るんだな?



俺はバスルームの低い天井を見上げる。


しかし、エンジェルの姿はない。



どこに居るんだ、エンジェル……!?



俺は、ざっと頭からお湯を掛けてバスルームを出る。



ドアのそばに置いたバスタオルでサッとカラダを拭く。



そして、バスタオルを腰に巻いたまま狭いリビングのドアを開けた。



「お、お兄ちゃん……?」



部屋の隅で膝を抱えて座っていたメグが、俺の姿を見て声を失う。



「あ、あぁ……ごめん!」



そう言いながらも俺は、部屋の隅々までエンジェルの姿がないか確認する。



居ない、か……また空耳かな……。



その時……フッと苦笑いする俺の胸に、メグが飛び込んで来た!