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えっ?
俺は左腹に鋭い痛みを感じる。
思わず左手を当てると、生温かい液体が吹き出していた。
血……!?
返り血を真っ赤に浴びた右手を、ブラックエンジェルは誇らしげに眺めている。
そして、滴る俺の血を旨そうに舐めた。
「バイバイ、ユート! うわっはっはっはっはー!」
俺は、急激にカラダが重くなるのを感じていた。
俺は、これで死ぬのか……。
そうか……そうなんだよな……。
俺は自分の命を大切には考えていなかった。
そして、エンジェルを失った今……。
メグがエンジェルでなかった今……。
俺は生きていく気力を失おうとしていた。
エンジェル……どこに居るんだ?
もし俺が死んだら、また君に逢えるのか?
もし、そうなら……これで良いのかもしれないな……。
消えそうになる意識を何とか繋ぎ留めながら、俺はブラックエンジェルに言った。
「エンジェルは……エンジェルはどこに居るんだ……?」
「ふぅん、そんなに知りたいのか? 悪い女だよな、エンジェルは……」
ブラックエンジェルは、そう言ってクククッと笑った。
「冥土の土産に教えてやろう……エンジェルは、今……」