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「エンジェル……戻ってきてくれたのか? そうだよな?」



エンジェルは、悲しそうに首を左右に振った。



「ありがとう、ユート……あたしは……幸せだったお……」


「何言ってるんだよ……これからだって、一緒に居よう……なぁ、エンジェル……」



俺には、最初から分かっていたんだ。


エンジェルが消えてしまうことなんて……。


だけど……。



「ねぇ、ユート……生きていてね……生きていれば、必ず……」


「生きていれば、必ず……? 必ず、何なんだよ、エンジェル……」


「必ず……良いことがあるんだよ、ユート……」



エンジェルは、そう言ってニッコリと笑った。



エンジェルの姿は、もはや陽炎のように透明で揺らぎ始めていた。



「バイバイ、ユート……大好きだお……」



消え入るような声で、エンジェルが囁く。



俺は、エンジェルに向かって手を伸ばす。



その瞬間、エンジェルの姿はフッと消えた。



まるで、蝋燭の炎が燃え尽きて消えるかのように……。



俺は、がっくりと膝から崩れ落ちる。



そして、急速に意識を失って行った……。



目が覚めると、いつの間にか朝だった。



窓から差し込む光が眩しい。


そして俺は、いつものように汗だくだった。



夢……?


いや、そんなはずはないよな……。



えっ!?



顔を上げた俺の目の前には……メグの寝顔があった。