59
俺は一抹の不安を感じながらも、それでもメグの笑顔にホッとしていた。
メグは、確実に存在していてくれる。
そのことが、とても嬉しかったのだ。
エンジェル……君は最後に、俺に生きろと言った。
でも……生きることに意味なんて無い。
だって、生きていることに意味があるんだから……か……。
禅問答のようだが、確かにその意味が今は分かる。
俺自身は、まぁどうだって良いのだが……。
メグが生きていることは……俺にとって意味があるのだ。
そして、もし……誰かが、俺を……必要としてくれるならば……。
俺が生きていることに意味があるかもしれない……。
俺は、そんなことを思いながらメグを抱き寄せた。
「あっ、お兄ちゃん……でも……メグ嬉しいよ……だけど……」
「だけど、何……?」
「お兄ちゃん裸だよ……恥ずかしいよぅ……」
確かに俺は、腰に巻いたバスタオルだけの姿だ。
血だらけのバスタオル……あれっ?
血なんか付いていない……どうしてだ……?
まぁ、いいか……不思議なことには馴れてきた……。
俺は、抱き締めたメグの耳元に優しく囁く。
「ありがとう、メグ……良かった、生きていてくれて……」
「生きてるよ、もちろん……でもね、何だか悪い夢を見ていたの……」
「悪い夢? そうか……そうだよな……」
俺は、もう一度メグの顔を見つめる。
メグは、恥ずかしそうに俺を見上げていた。
「ねぇ、お兄ちゃん……シャワーして良い? あたし、汗かいちゃった……」