ルリちゃんは、カウンターの奥でアイスコーヒーを用意していた。


しかし、あれだけ可愛ければいろんな男に言い寄られるだろうな……。

っていうか、当然彼氏だっているだろうし……。

……つか、何考えてんだよ、俺は……。


苦笑いしながら、俺は汗をかき始めたコップの冷たい水の残りを飲み干した。


「お待たせしました……アイスコーヒーです……」


ルリちゃんは、さっきとはちょっと違った感じで俺にそう言った。

なぜか、少し悲しそうな声だ。

いや、気のせい、か……?


「あの……もしかして……いや、ごめんなさ……」


えっ?

突然泣き出したルリちゃんに、俺は面食らう。


カウンターの向こうでは、マスターが怪訝な顔で俺を見ていた。

いや、俺は何もしてないけど……。


「あの……ちょっと、お話ししてもいいですか? マスター、ちょっとゴメンナサイ……」


そう言うとルリちゃんは、俺の目の前の椅子に腰を下ろした。

そして、涙に潤んだ瞳で俺の目をじっと見つめている。


えっ? 何が起こってるんだろうか……?




俺は、今の状況にドギマギしていた。


そしてルリちゃんが、ゆっくりと口を開いた。