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もしも、過去に何かがあったとしたって……。
それはもう、過去のことでしかない。
俺は、一番大切なものは何かを考え始めていた。
それは……。
今と、これからのこと……そう、未来なんだ。
俺は、詩子を間違いなく愛し始めていた。
だけど……。
俺は、やはり知らなければならない。
俺と奏(かな)……そして、絢音と詩子……。
それぞれの関係に、何が起こったのか?
いったい何が起きてしまったたのかを……。
俺は、頭の中の引き出しを一生懸命引き出そうとした。
しかし、そこには厳重な鍵が掛かっている。
きっと鍵さえ見つかれば、その引き出しは開くのに……。
今、その鍵は……そう、絢音と詩子が持っている。
絢音を捜し出して話を訊くのは、もはや簡単なことではない。
しかし俺は、そのとき絢音を捜し出す覚悟をしていた。
まずは……詩子だ。
俺は、詩子を抱き締める腕に少しだけ力を込める。
「あっ……」
囁くように声を漏らした詩子の唇を、俺のキスで塞ぐ。
そして俺は、詩子にこう告げたんだ。
「詩子……俺は……詩子を愛してしまったかもしれない……」