7
それから、何事も無く数日が過ぎた。
そのカフェには自然と足が遠のいていたし、ルリちゃんから連絡もない。
そうなると俺は、不思議なことにルリちゃんのことが気になって仕方がなかった。
でも……。
きっと、関わらないほうが良い……。
俺の危機回避能力が、確かにそんな答えを出していた。
だけど……。
ルリちゃんに関わることは、厄介な種を抱え込むことに違いなかった。
でも、俺は……なぜか、それでも仕方ない気がしていた。
なぜなんだろう……ルリちゃんのことが気になって仕方ない。
それは……もちろん、ルリちゃんが美しいからではある。
でも、確かにそれだけじゃない。
俺には、何かが引っかかっていた。
それがなぜだかは、良く分からないけれど……。
そんな気持ちを抱えながら、一週間が過ぎた。
そして俺は、また原宿に居た。
「……ちょっと、顔を出してみるか……」
俺は、そんな独り言を呟きながらカフェのドアを開けた。
だけど……。
そこにはもう、ルリちゃんは居なかったんだ……。