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腰に巻いたバスタオルが、真っ赤に染まっていた。
それを見た俺は、急に目の前が薄暗くなる。
寒い……。
このまま俺は、死んでしまうのか……。
死にたくない……。
そのとき俺は、本当にそう思った。
もう一度、エンジェルに逢いたい。
エンジェルと一緒に……生きたい……。
エンジェル……そこに居るんだろ?
お前は、まだそこで……生きてるんだよな?
だったら、俺は……まだ死ぬわけには行かない……。
カラダが、ガクッと大きく崩れた。
よろめきながら、俺はパソコンデスクに手を付く。
そのとき……俺の手に、何かが触れた……。
これは……!?
フィギュア、か……。
んっ?
温かい……この丸いものは……・
それは、シャワーを浴びる前に無意識にデニムのポケットから取り出して置いた……。
エンジェルの涙から変わった、真珠の玉だった。
真っ暗だった目の前が、明るく光り始める。
同時に、手に持った真珠が我慢出来ないくらい熱くなった。
エンジェル……エンジェル……!
俺は、その真珠を自分の左腹の傷口に押し当てた。