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手を繋いだまま、俺とメグはゆっくりと歩いた。
「……ほら、着いたよ……」
俺の住むアパートは、古ぼけた2階建てだ。
一階の一番奥にある角部屋が、俺の棲み家だった。
ドアの鍵を開ける。
滑り込むようにして、メグが部屋に入った。
俺は後ろ手で鍵を締めて、キョロキョロと部屋の様子を眺めるメグを後ろから抱き締める。
「お兄ちゃん……ダメ……」
メグはイヤじゃなさそうな声で、そう言った。
「あっ、ごめん俺……汗臭いよな……」
「ううん。大丈夫だよ……でも、シャワー浴びて来れば? お兄ちゃん……」
「あ、あぁ……そうだな……じゃあ……」
俺は、バスルームに入る。
そして、ぬるめのお湯とボディーソープで汗を洗い流した。
軽いミントの香りが、俺の鼻をくすぐる。
しかし、メグは……いったい何者だろう……?
エンジェルのことがあったので、俺は何が起こっても別に不思議じゃないと思っていた。
汗をかかないメグ……でも、シャワーを浴びたいと言う。
いったい何なんだろう……メグは……エンジェルなのか……?
シャンプーで髪を洗う。
まとわりついた汗とワックスが少しずつ洗い流されていく。
その時……俺の背後で、バスルームのドアが開く音が薄く聞こえたんだ。