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下北沢駅の北口を出て、俺はメグと歩く。



汗を吸いまくって重くなったハンドタオルでは、吹き出す俺の汗にもう用を足さない。


俺は流れる汗をそのままにして、メグの歩くスピードに合わせてゆっくりと歩く。



すぐ横を歩くメグの顔をチラ見する。


相変わらずメグは、涼しい顔だ。



俺の視線に気づいたメグが、嬉しそうに微笑む。



メグは、可愛い。



俺は途方も無い幸福感と共に、なぜか胸の痛みを感じていた。



そう、それは……エンジェルに対する心の痛みだった。



どうして、こんなに胸が痛むんだろう……。



だって、メグはエンジェルなんだ。


エンジェルの生まれ変わりなんだ。


でも……。



俺は、エンジェルを愛していた……。



そのことを、いま確かに実感していた。



もしかしたら……メグはエンジェルと関係ないのかもしれない……。


俺が只メグがエンジェルだと、そう思いたいだけなのかもしれない。



でも、メグは……確かに人間離れしている。



俺は意を決して、メグに訊いた。


何気なく、自然に聞こえるように……。



「ねぇ……メグって暑さに強いんだね? 汗なんか全然かいてないし……俺なんてすごいだろ?」



そのときメグは、無表情に俺の目を見つめ返した。



えっ?



メグの反応に、俺は嫌な予感を感じていた。