44
下北沢駅のホームに電車が滑りこむ。
ドアのそばに立っていた俺とメグは、すぐにホームに下りた。
夜なのに、まだ暑い……。
きっと、まだ30℃以上あるな……。
いつになったら涼しくなるのだろう……?
本当に、今年の夏は異常な暑さだった。
そして、今の俺も汗だくなワケだ。
クーラーの効いた電車から降りた瞬間に、汗が吹き出す。
暑い……てか、汗臭いだろうな、俺……。
制汗スプレーでもぶっかければ多少は違うだろうが、今更もう手遅れだった。
俺は、すぐそばに居るメグの顔を横目で見る。
メグは、汗ひとつかかずに涼しい顔だ。
あれ……確か、アキバで逢ったときも……。
俺の心の中に、ひとつの違和感が生まれていた。
メグは、汗をかいていない。
この暑さなのに、全くだ……。
それって、やっぱり……。
俺は、すべてを自分の都合良く理解していた。
やはりメグは、エンジェルなんだ。
だから、メグは汗をかかない。
そう思えば納得だ……。
脳天気な俺は、そのとき本気でそう思っていた。
そう、その時は……。