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何時間も何時間も……何回も何回も……同じところをぐるぐる歩きながら、俺はエンジェルを捜して歩き回る。
エンジェルに、もう一度逢えるキッカケを捜して……。
しかし、俺には結局なにも見つけられなかった。
秋葉原の空を、夕陽が真っ赤に染める。
そして空は紫色に変わりながら、太陽は一日の役目を終えた。
汗だくの俺は、途方に暮れていた。
どうすれば良いんだろう?
ずっとそんなことを考えながら、俺はエンジェルを探し続けた。
だけど……。
俺は、悪い夢を見ていたのだろうか?
でも……。
汗で重くなったハーフパンツのポケットには、あの真珠が確かにあった。
そう……エンジェルの涙から変わった、あの真珠が……。
夢では……ない。
でも、夢と現実が一緒になった事を考えると……。
いま感じていること全てが夢なのかもしれないと思えてくる。
俺は、ずっと悪い夢を見続けているのかもしれない。
エンジェルに出逢ったのも夢で、今も夢……。
昔、テレビのドラマで「切り取られた脳」が見ていた世界が、彼にとっての現実だった……というのを見たことがある。
今の俺も、もしかしたら同じことなのかもしれない。
俺の存在自体が、もしかしたら実態を持たないのかも……そんなバカなことも考えてしまう。
それほどまでに、今日は暑い一日だった……。
俺は苦笑いしながら、秋葉原駅へと歩き出した。