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俺は、ゆっくりと目を閉じる。



舌先に全ての神経が集まっているかのような、そんな感覚……。


絡み合い融け合いながら、俺の意識は堕ちて行く。



君がため 惜しからざりし 命さへ 長くもがなと 思ひけるかな  藤原義孝



ふと、そんな和歌を思い出す。



現代語に超訳すれば、こんな感じかな……。



もしも君に逢えるのなら。


この命なんて惜しくないと思ってた。


だけど、君を手に入れることが出来た今は。


君とずっと一緒に居たいんだ。


ずっーと、一緒に……。



百人一首の五十番。


俺が一番好きな歌だ。



それは正に、今の俺の気持ちそのままだった。



俺は、生きる意味を失っていた。


俺は、いつ死んでも良いと思っていた。



つまらない毎日と、意味のない生活。


俺という存在なんて、全く意味が無い。



俺みたいな人間が生きていても、仕方がない。


ずっと、そんなふうに思っていた。



そう、君に出逢うまでは……。



エンジェル……君に出逢って分かったんだ。



誰かのために生きたいと思うこと……。



それが幸せなんだって……。



エンジェルと俺は、いま体の芯からひとつになって融け合っていた。