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俺は、その真珠を拾った。
直径が1センチほどの、大粒の真珠だ。
真珠色に七色の光がまとわりついて、ぼんやりと美しく輝いている。
そんな真珠をじっと見つめながら、俺は思った。
エンジェル……俺は、やっと意味が分かったよ……。
人間は、生きていることに価値がある。
生きていさえすれば、こうやって巡り合えることだってある。
俺は、エンジェルに出逢うことが出来た。
そして今は、ただそれだけで生きる価値があるような気がしていた。
真珠の向こう側に、エンジェルの姿が見える。
さっきよりも確かに、はっきりと。
「エンジェル……君の姿が見える。嬉しいよ……俺……」
「……見えるんだね、ユート……あたしの姿が、ちゃんと……」
エンジェルは、微笑みながら俺の目をじっと見つめている。
俺は、エンジェルの近くに歩み寄る。
そして、エンジェルを抱きしめようとした。
でも……俺の手は、むなしくエンジェルのカラダをすり抜ける。
見えていても……触れないんだな……。
それはまるで春に行われたコンサートのDVDで見た、立体的に作られた初音ミクのようだった。
俺は、寂しさを感じながらも納得しようとしていた。
それでもエンジェルは、間違いなく存在しているんだから。
俺は、そのとき間違いなく感じていたんだ。
本当に幸せだって……そのときは、確かに……。