18


「幻なんかじゃないよ、ユート……あたしは、ここに居る」



ふと見上げると、そこにはエンジェルが居た。



えっ?



うっすらと透明な姿だが、確かにエンジェルがそこに居た。



エンジェル……。



俺は、言いようのない感動に心が震えていた。



エンジェル……君は、本当に居てくれるんだな……。



俺は、それだけで生きている価値があることに思えた。


それほどにエンジェルは……いまの俺にとって大切な存在になっていた。



「ユート……あたしが見えるの?」


「あぁ……うっすらとだけど、確かに見えるよ! 逢いたかったんだ、エンジェル!」


「……そう、か……そうなんだね……」



エンジェルは、悲しそうな声で……。


でも、それを隠すかのように微笑んでいる。



俺は、そのとき悪い予感を感じていた。


それも、とてつもなく悪い予感を……。



「ねぇ、ユートってば何も食べてないでしょ? 何か食べなよ!」


「あぁ……うん。確かに今日、何も食べてないしな……」


「そうだよ! ちゃんと食べなきゃダメなんだからねっ!」



そう言って、エンジェルはプーッと頬を膨らませた。



エンジェルは、可愛い。


エンジェルを、失いたくない……。



そのとき俺は、確かにそう強く思っていた。



エンジェルがいてくれれば、何もいらない……。



そんな素直な感情で……。