13
秋葉原に着いた俺たちは、電気街口に出る。
俺の上空すぐそばに、エンジェルの気配を感じていた。
「わーアキバ! アキバだお! 嬉しいお!」
エンジェルのテンションが、間違いなく上がっているのが分かる。
俺は苦笑いしながら、見えるはずのないエンジェルを見上げた。
あれっ……?
下北沢の駅に向かうときにも感じたんだけど……。
うっすらとエンジェルの輪郭が見える気がする……。
それは、夢で見たエンジェルの姿を本当にぼんやりと写していた。
スレンダーなカラダに、大きな羽が見えた気がした。
見えるといいな、エンジェルのこと……。
そう思った瞬間、エンジェルの姿はサッパリ見えなくなっていた。
あれ……やっぱり気のせいか……。
俺は、頭の中でエンジェルに問いかける。
「なぁ、エンジェル……お前、いつか見えるようになるかもって言ったよな?」
「んっ? あたしの姿?」
「そう……俺は、エンジェルの姿が見たい。いや、顔が見たい!」
「それはムリかな? 今は無理だよ、ユート……」
またエンジェルの声が寂しくなっていた。
この話題には、触れない方が良さそうだな……。
「ユート……夢で逢えるよ。夢のなかで、逢おうよ……」
「あぁ……じゃぁ、今日は帰ったら寝る!」
「アハハ! ユートってば、さっき起きたばっかだぉ!」
そんなエンジェルの楽しそうな笑い声が、俺の心もウキウキさせていた。
そう、こんなに幸せなのは久しぶりだった。