12
小田急線の改札を抜けて、そのままJRに入る。
総武線に乗り換えて、のんびりと秋葉原を目指す。
……やべ! さっき俺、エンジェルを好きになってるって思ったよな……。
ということは、エンジェルは気づいてるってことだよな……。
俺は、頭の中でエンジェルに語りかける。
「……居るのか? エンジェル……」
「居るよ、ユート……」
心なしか、エンジェルの声が上ずっているように聞こえる。
乙女だな、エンジェルは……。
「もう! そんなこと言わないでよ!」
エンジェルが、恥ずかしそうに言う。
「あはは。ごめんごめん! でも、俺……お前のことが、さ……」
「ダメ! それ以上は言わないで……お願いだから……」
アレ?
エンジェルが、突然悲しそうな声を出す。
何でだろう……俺は、エンジェルのことが好きなのに……。
そして、そのことを……エンジェルに伝えたかったのに……。
俺は、あの夢を見た時から……エンジェルに惹かれていた。
そのことを、ちゃんと言葉にして……伝えたかったんだ。
「……ありがとう、ユート。でもね……あたし……」
「何か、まずいことでもあるのか?」
「う、ん……嬉しいけど……ダメなの……」
俺の気持ちは、微妙に萎える。
でも、まぁいいか……。
俺は、久しぶりに気持ちが動いた。
その時は、それだけで幸せだったから……。