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独り暮らしの部屋に、そんな声が聞こえるはずがない。
俺は苦笑いしながら、ペットボトルを入れたゴミ袋の口を結ぶ。
「ねぇ、なんで別れちゃったの?」
えっ?
また……空耳?
いや、おかしい……誰か居るのか……!?
もう一度、周りを見回してみる。
しかし、もちろん誰も居るはずがなかった。
でも……この声は確かに聞き覚えがある……。
もしかしたら……エンジェル?
いや、そんなバカなことは……無いよな……。
「当たり!エンジェルだぉ!」
俺の左の鼓膜を、そんな声が撫でる。
ハッとして、俺は左側を向く。
しかし、そこには誰も居ない……。
俺、オカシクなったのかな……?
「ううん、オカシクなってなんかないぉ、ユート!」
「も、も、もしかして……え、エンジェル?」
「当たり! ユート……あたしに逢いたかったでしょ?」
何が起こっているんだ?
いったい、どうなってるんだ!?
「姿は見えないと思うぉ! きっと、今は……まだ……」