5
ちゃんと付き合った女の数は、そんなには多くない。
たぶん、両手の指で足りるくらいの数だろう。
あと、付き合ったのかどうか……そんな女の数は、両手両足の指では足りないくらいだと思う。
寝た女の数は……途中でバカらしくなって、数えるのをやめた。
忘れられない女の数は……それも、キリがないのかもしれない。
カラダの関係があった、なかったなんて関係ない。
どれだけ深く俺の心に入り込んでしまったのか……それが、重要だから。
その中で、一番忘れられないのは……やはり、リノのことかな……。
俺は、一番最近付き合っていたリノのことを考える。
一番最近だから、一番忘れられないんじゃないんだ……。
俺は、たぶんそれまで本当に人を好きになることを知らなかった。
いや、好きというか……それが、愛するという感情なのか……。
とにかく、自分のことよりもリノのことを大切にしたかった。
そんな気持ちになったのは、初めてだったんだ……。
リノと出逢ったのは、あるサイトのオフ会でだった。
別に、何の期待をする訳でもなく……たまたま出たオフ会で、俺はリノと出逢った。
初めてリノを見たとき……俺の心が、何故か動いた。
別に、ムチャクチャ可愛い訳でもない。
好きな声をしていたワケでもない。
ただ……リノの醸し出す雰囲気というか……何というか……。
少し話しただけでも分かるくらいに、とても居心地が良かったんだよね……。
「そっか、それで恋に落ちたってワケね……フフッ!」
えっ?
辺りを見回すが、もちろん誰も居るはずがない。
空耳か……寝不足かな……?