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菜摘と創は、大学で知り合った。
ふたりともWebデザインを専攻していて、あるゼミでふたりは出逢った。
そして同じような感性を持ったふたりは、自然と惹かれ合った。
考えて見れば、その頃から菜摘と創は一心同体だったのかもしれない。
お互いの気持ちを分かり合って、ふたりでひとつの作品を仕上げる。
そんな学生生活を過ごしながら、ふたりは一緒に暮らし始めた。
ふたりは、ずっと幸せだった。
そう、あんな事故に創が遭うまでは……。
帰って来た菜摘は、身も心も創になりきっていた。
創がしていたWebデザインの仕事を、引き継ぐような形で菜摘が請け負った。
元々、ふたりともフリーのデザイナーとして、一緒に仕事をしていたこともあったが……。
周りには、奏(かな)が説明をして理解を得た。
ふたりのことを良く知っていた仕事先の人たちも、暖かく菜摘を見守っていた。
そんな菜摘のそばにいたのは、最初はもちろん奏だった。
創になった菜摘は、自分のことを創だと信じ切っていた。
そして……創になった菜摘は、菜摘のことを何故か記憶から消していた。
その頃から菜摘は、突然倒れて一部の記憶を失うということがあった。
そんな記憶の混濁の中で、奏は菜摘に言った。
「創……あたしが、ずっとそばにいるよ……」
そんな言葉を繰り返し、繰り返し……。
そして、創になった菜摘は……奏を自然と受け入れるようになった。