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「菜摘ちゃんは、本当に創さんを愛していたんだね……本当に……」



詩子(うたこ)が小さな声で、そう呟いた。



「菜摘は、あの時から創になったのよ……創の記憶を、全て引き継いだように……」



奏(かな)は、そう言ってひとつ溜息をつく。



「菜摘の行動は、常軌を逸していたわ……自分が創だと、ずっと思い込んで……」



絢音(あやね)は、心理学者らしく冷静にそう言った。



菜摘と奏、詩子は、幼なじみだった。


子どもの頃から仲が良くて、まるで本当の姉妹のようだった。


菜摘と奏は、小学校から大学までずっと同じ学校だったくらいに。



そして、大学の時……菜摘と奏は、絢音と出逢った。




菜摘と創は、本当に愛し合っていた。



「もしも俺が先に死んだら、俺を忘れてくれよ……そして、菜摘は新しい幸せを見つければ良いよ……」



生前、創は冗談交じりにそんなことを菜摘に言った。



「バカね! そんなこと言わないでよ……ずっと、あたしは……創と一緒居るんだから……」



そう言った菜摘に、創はただ優しく微笑んだ。



創には、不思議なところがあった。


まるで預言者のように、何かが起こるのが分かっていた。



あの日……自分の目の前で車に轢かれた創を、菜摘はただ何も出来ずに見ていた。



即死だった創の顔は、何故か優しく微笑んでいた。


そんな創の顔を見た菜摘は、その瞬間から表情を失った。



そして、創の葬儀の時に……菜摘は突然姿を消した。