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菜摘が俺にとってどんな存在だったのか……それは聞かなくても分かっていた。
俺にとって、本当にかけがえのない存在……それが菜摘だったはずだ。
そして俺は、そんな菜摘を殺してしまった。
それも、俺のせいで……。
詩子(うたこ)と出逢ってからのことは、まるで夢の中の出来事のようだった。
本当は、以前から出逢っていたはずの詩子……しかし、俺の記憶の中では……。
あの花束を持って泣いていた女を見てから……Twitterでメッセージを送って来た詩子……。
そして、あの花束少女だという詩子と大井町の駅前で待ち合わせて……その夜、突然消えた詩子……。
昨日の夜、再び現れた詩子と、この部屋に来て……俺は、様々な衝撃的な事実を知った。
記憶を失って、自分の部屋で目覚めた俺は、またこの部屋に来た。
そして、そこには死んだはずの奏(かな)が居た。
そして詩子は、消えた絢音(あやね)を連れて再び現れた。
いま俺の目に前に居る3人の女……。
俺が愛してしまった女たち……。
考えて見れば俺は、この女たちに結局悲しみしか与えていないんだ。
俺は、そんな男なんだ……。
そして、きっと菜摘にも……俺は……。
俺は、ずっと訊かなかった……いや、訊けなかったことを訊くことにした。
きっと、そのことが……全ての謎を解く鍵になるはずだから……。
俺は、ひとつゆっくりと息を吸ってゆっくりと吐き出した。
そして、訊けなかった言葉を吐き出す。
深呼吸の力を借りるように、一気に……。
「あの夜……大井町の駅前に居た女は……いったい誰なんだ?」
3人の女たちは、また困惑した表情で顔を見合わせていた。
長い沈黙の後、奏が強い調子で言ったんだ。