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俺は、今までのことを落ち着いて思い出そうとしていた。



何も、怖いことはない。


何も、恥じることはない。



そう思えることで、心の中にあった錘(おもり)がスッと軽くなった気がしていた。



俺は、ずっと感じていたんだ。


でも、それに気づかないフリをして来た。



辛いことから、俺は逃げて来た。


そして、それで良いと自分自身で納得していた。



でも、それは違う。


それでは、何も変わらない。


何も、解決出来ないのだから……。



「俺が別の人格になったとき、俺は何をしたんだ?」



三人の女たちは、またゆっくりと顔を見合わせていた。



そして詩子(うたこ)が「うんっ!」と頷いて、ゆっくりと口を開く。



「創さんは……全くの別人になるの……いつもの優しい創さんじゃないような……」


「それで俺は……暴力的になるのか?」


「……そう……でもね……そのときの創さんは……」


「そのときの俺、は……?」



そのとき、奏(かな)が口を開いた。



「創は……泣いてるんだよ……暴力的と言っても、私たちにケガをさせる訳じゃないの……」



奏の言葉に続けるように、絢音(あやね)が言った。



「そんな姿を見てたら……いたたまれなくなったの……だから……そうならないように……」


「そうならないように……? 奏は死んだことにして……ひとつの原因を潰した訳か……」


「そう、そしてあたしが……」



そう言った絢音は、真っ直ぐな目で俺をじっと見つめた。