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そう言いかけた詩子は、また声を詰まらせる。
「言いたくなかったら、無理して言わなくていいよ……」
そう言った俺は、こぼれ落ちた詩子の涙を親指で拭く。
「……ううん、大丈夫……だって、それを伝えるために来たんだから……」
詩子は、俺の目を真っ直ぐに見つめていた。
そして詩子は覚悟を決めたように、ゆっくりと語り始めた。
あのとき、奏(かな)ちゃんは……。
創さんと愛し合っていたの。
でも……奏ちゃんに紹介された創さんのことを……。
あたしも、いつの間にか好きになってしまったの……。
でも……それは、ダメだよね……。
だって、創さんは……お姉ちゃんの彼氏だもん。
だから、あたしはずっとずっと我慢してたんだよ。
創さんにも、奏ちゃんにも……あたしの気持ちがバレないように……。
あの頃、奏ちゃんと創さんは……良くケンカしてたんだよ。
それは……だいたい絢音さんのことが原因だったと思う。
奏ちゃんと絢音さんは、元々仲の良いお友達だったよ。
でも、創さんと奏ちゃんが付き合うようになってからは……。
ふたりは、あまり話もしなくなったみたい。
絢音さんも……本当に創さんのことが好きだったんだと思う。
だから、あたしは……絢音さんのことを利用して……。
奏ちゃんから創さんを引き離そうとしたんだ……。