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「創さん……大丈夫?」
気が付くと、詩子が俺の手を握っていた。
心配そうに俺を見つめる詩子の瞳には、明らかな動揺の色があった。
詩子は……本当は、知っているんじゃないのだろうか?
俺と奏(かな)の間に起こったことを……。
俺は奏とのことを、少しずつ……それでも鮮明に思い出していた。
しかし……どうしても、思い出せないことがある。
奏との生活は、辛いこともあったけど……俺は、幸せだったんだ。
俺は、間違いなく奏を愛していた。
奏の全てを包み込みたい……そうまで覚悟していたはずだ。
それなのに、どうして俺は……奏と別れてしまったのだろう?
どうやって、奏と別れたのだろう?
そのことを考えると、頭の中がまた真っ白になる。
頭の奥から、ズキズキと鈍い痛みが襲ってくる。
思い出そうとしても、思い出せない……。
と、いうことは……!?
……俺は、思い出したくないのだろうか?
思い出したくないほどのことが……あったのだろうか……?
怖い……。
でも、俺は……。
このままじゃ、いられない。
そして、詩子が俺に逢って話そうとした意味を……俺は、考え始めていた。
それは、きっと……。
いや、間違いなくそうだろう……。