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厚木インターチェンジで下りて、国道129号線を南下する。



茅ヶ崎へと出て、江ノ島を通過した。



材木座の海岸でポルシェを止めた俺は、奏(かな)に優しく声を掛ける。



「着いたよ、奏……おいで……」



見上げると夜空には、まん丸の月があった。



海岸に立った俺たちを、穏やかな潮風が包んだ。



寄せては返す波の音が、耳に心地良い。



波の音を聴きながら、俺たちは長い間ただ立ち尽くしていた。



奏は、俺の腕に甘えていた。



俺は、優しく奏のサラサラの髪を撫でる。



何も訊かなくて良いんだ……。



俺は、そのときただ奏と一緒にいるだけで幸せだった。


そして俺は、その時……漠然と、奏との未来を想像していた。



俺のそばには奏が居て、俺たちは笑い合っている。


奏の肩を抱いて、優しくキスをする。



……俺らしくもない、な……。



俺は、苦笑いしながらじっと奏を見つめていた。



そして、そんな幸せな時間が……奏となら過ごせるんだって思い込んでいたんだ。



「行こうか、創さん……」



奏が、俺をそう言って促した。



俺は、どこに行くのかも訊かずにただ頷いた。



ポルシェは、海沿いの夜道をゆっくりと走る。



逗子を過ぎて逗葉新道に入った俺たちは、横浜横須賀道路を北上する。