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俺は、目を凝らしてアルバムの写真を見る。



その写真は、たぶん5年前くらいのものだ。



当時、俺はSNSのパーティーに良く顔を出していた。



写真がとられた場所は、一ヶ所ではない。


しかし、その多くは麻布十番にあるカフェで撮られたものだ。



確かに俺は、そのカフェに居た。


月に何回も、その店に出入していた。



そのカフェでは、様々なパーティーが行われていた。


そして俺は、たくさんの色々な女と出逢った。



しかし……奏(かな)さんの顔には見覚えが無い。



いや、きっと俺は奏さんに逢っていたはずだ。


そうじゃなきゃ、こんな写真がるあるはずがない。



でも俺は、やはり奏さんのことを思い出せないでいた。



俺は、記憶力には自信があった。


だけど、奏さんのことは憶えていない。



いったい、どうしてなんだ……。



俺は、頭の中の引き出しを開けて奏さんの顔を検索する。



何回か話をしていたとしても、印象に残らなければ憶えていないのかもしれない。


でも……これだけキレイな女の顔を忘れるはずなんてないのに……。



「昔、奏ちゃんに訊いたんだ……創さんと……奏ちゃんは付き合っていたって……」



えっ?


そんな、はずは……でも……!?



そのとき、俺の頭の中で何かが動き始めた。



フラッシュバックのように、あの頃の思い出が溢れ出す。



あのとき、俺は……間違いなく……奏を……愛していた……!?