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えっ……!?
俺は、詩子の言葉にショックを受けていた。
そして、その意味を測りかねていた。
いなくなっちゃった……。
その意味は、いったい……?
まさか、亡くなったのか……?
いや……失踪したのか……?
それとも……?
いずれにしても、良い話ではないだろう。
俺の勘は、また当たってしまったのか……。
俺は訊きたくない気持ちを抑えながら、それでも詩子に訊いた。
「詩子……お姉さんは……どこへ行った、の……?」
詩子は躊躇するかのように、口をギュッとつぐむ。
俺は詩子の髪を優しく撫でながら、自分の心を落ち着かせようとしていた。
それは、詩子の口から……たとえ、どんな言葉が出ようとしても。
「お姉ちゃんは……亡くなったんだ、よ……あたしの……せいで……」
何だって……!?
俺は、詩子の言葉に衝撃を受ける。
いったい、なぜ……!?
呆然としている俺に甘えながら、詩子は言った。
「あたし……お姉ちゃん……奏(かな)ちゃんのこと、大好きだったのに……」
静かに涙を落とす詩子を、俺は優しく抱き締める。
何が起こっているのか……俺には理解が出来なかった。
でも……俺は今、詩子を抱き締めて……詩子の悲しみを共有している。
ただ、それだけで……その時の俺は、幸せだったのかもしれない。