39
自動ドアの奥には、またオートロックのドアがあった。
詩子は手馴れた様子で、ドアの右横にあるパネルの数字キーを押す。
そして、目の前のドアが自動的に開いた。
詩子は、また俺のシャツを引っ張って奥にあるエレベーターへと向かう。
2基ある手前側のエレベーターに、俺たちは乗り込む。
詩子は、無言で7階のボタンを押した。
詩子のカラダが、小刻みに震えていた。
詩子は……俺との、これからのことを期待しているのだろうか?
いや、それはないよな……。
こんな時でも、俺はエッチなことを期待している。
男って、しょうがないよな……。
俺は、心の中で苦笑いする。
エレベーターが、ゆっくりと7階に停止した。
「こっち……」
詩子が、今度は俺の手をつかんで歩き出した。
詩子の手は、思いのほか冷たい……。
というか、俺の手がいつも温かいのかな……。
長い廊下を端まで歩いて、さらに右に曲がる。
「ここだよ……創さん……」
詩子が小さな声で、そう言った。
詩子は、ドアノブの下に細長い電子キーを差し込んで鍵を開けた。
「入って……創さん……」
「あぁ……うん……」