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家に帰ると、やはり絢音は居なかった。



そうか……。


これは、もう本気でダメかもな……。



強がっていても、本当は俺は悲しくてどうしようもなかった。



俺は、間違いなく絢音を愛していた。


だけど……。



こうやって離れてしまうと感じた瞬間に、その気持ちが本物だったのか?と疑いたくなる。



リビングに入ると、絢音の荷物がごっそりと無くなっていた。



マジかよ……。



俺は一瞬、呆然とする。



だけど、絢音の仕事の速さになぜか苦笑いしていた。



絢音は、やはり無事だったか……。


まぁ、それは良かった。



「しかし、大した覚悟だよな……」



俺は、そんな独り言を呟きながら部屋を見て回る。



絢音が大切にしていた物、その全てがきれいに消えていた。



「何だよ……何の説明もなしかよ……」



そんな独り言とともに、いつの間にか目頭が熱くなるのを感じていた。



溢れる涙に、俺は動揺する。



何でこんなに涙が出てくるんだ?



自分が思っていた以上に、カラダは正直に反応していた。



そう、俺は……本気で絢音を愛していた。



そのとき俺は、リビングのデーブルの上に手紙を見つけたんだ。