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こんな事態が起こっていたとしても、俺は日常の生活を続ける。



その日俺は、定時に仕事に出た。


絢音を捜す手段も、そんな気力も実は無かったからだ。



もちろん絢音のことが心配だったが、もう電話はしなかった。



本当のことを言うと、電話するのが怖かったのかもしれない。


もし電話が繋がったとして……絢音は何を話すのだろう……。


そのことを考えると、電話する気にはなれなかったんだ。



俺は、自分の勘に多少なりとも自信があった。


何でもかんでも分かるわけではないが、勘は働く方だと思っている。



絢音の身に何か危険なことが起こっている……。


そんな予感が全くしなかったので、その点は安心していた。



だけど……。


同時に、絢音が俺から離れて行ってしまう……。


強烈に俺は、そんな予感を感じていたんだ。



理由なんて、どうでも良い。


俺から離れてしまうならば、それはそれで仕方がない。



人の気持ちに無理強いは出来ない。


それは、どうしようもない現実なんだ。



絢音が、俺から離れてしまう……。



きっと、それは俺のせいだ。


そうじゃなきゃ、絢音は離れていく訳がない。



俺は、現実を素直に受け入れる癖がある。



例えば、どんなに努力しても相手から愛されるかどうかなんて分からない。


いくら頑張ってみたところで、自分の夢が叶うなんて信じられない。



きっと今日は、絢音から連絡がある。



そんなことを思いながら、俺は仕事を終えて家に帰った。