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そんな俺の顔を、詩子が覗き込む。
「……創さん? もしかして困ってる?」
詩子は、少し顔が赤い。
ゆっくりとしたペースで呑んでいた詩子だが、さすがに少し酔っているようだ。
それにしては、ちゃんと俺のことを見てるんだな……。
俺は少し感心しながら、首を左右に振って詩子を安心させる。
俺は酒は強い方ではないが、女と呑むときは自然とペースを落とす。
そんな癖が付いていた。
その女を抱くとしても、無事に家に送り届けるにしても……。
俺自身が酔っ払ってしまっては具合が悪いからだ。
こうなった以上、電車が動くまでは俺は詩子のそばに居てやるつもりだ。
開いてる居酒屋や、ネットカフェもあるだろう……。
でも、そこに詩子を独り置いていく訳にはいかないしな……。
俺は、頭の中で最善の策を探っていた。
朝早く帰れば、きっと絢音は眠っている。
実際に、仕事で早朝に帰宅することも良くある。
だから、俺が朝帰ったとしても何の問題もない。
「……どうする、詩子? 別の店に行く?」
「……ずっと……一緒に居てくれるの? 嬉しい!」
そう言って、詩子は俺の手をそっと握る。
ずいぶん積極的だな……。
俺は苦笑しながら、詩子の髪を撫でた。
詩子は目を伏せながら、小さな声で言った。
「じゃあ……ネカフェに行く……」
「そ、か……うん、了解……」
俺は、そのとき何も考えていなかった。
そう……何も……。