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俺は、じっと詩子の目を見つめながら考えていた。
詩子が俺に逢いたかった理由……?
いったい何なんだろう?
俺には、その理由が分からなかった。
そんな俺の姿を見て、詩子がゆっくりと口を開く。
「あのね……あたし、ずっと読んでたんだよ……創さんの小説……」
「えっ? そう、なんだ……そうか……ありがとう……」
「うん……すごくね……温かいっていうか……優しい話が多いでしょ?」
「……あぁ。そうだよね……」
「大好きなんだ……創さん、の……小説……」
詩子は頬を赤らめて、恥ずかしそうに俺から目を逸らした。
俺は詩子の意外な言葉に、正直驚いていた。
今まで、そんな風に言ってくれる人なんていなかった。
俺の小説をそんな風に思ってくれてるなんて……。
詩子の言葉を聞いても、俺には実感が湧かなかった。
というか、本当にそうなのか俺自身自信がなかったのだ。
でも……それって、本当に嬉しいな……。
俺は変な話だけど、詩子の言葉に素直に感動していたんだ。
「ありがとう、詩子ちゃん……ホントに嬉しいよ……」
「詩子でいいってば、創さん……」
詩子は、そう言って恥ずかしそうに笑う。
「それで……俺に逢ってみたかったんだ……そうか……ありがとう……」
「うん……どんな人が書いてるか知りたかったの……」
「で、逢ってみてどう? ガッカリしなかった?」
「ガッカリなんてしないよ! 創さんは……想像以上に……ステキだったよ……」
詩子は真剣な表情で、俺をじっと見つめていた。
どう答えていいのか悩みながら、俺はただ詩子を見つめ返していた。