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夜道を、独り早足で歩く。



俺には、もう迷いは無かった。



琴音を忘れるために、俺は7人の女を揃えようとした。


でも……。



再び逢った琴音は、あの頃の琴音ではなかった。


それは琴音が変わったのではなく、俺自身の気持ちが変化したんだ。



だから俺は、もう琴音をあの頃のようには愛せない。



千尋……。



俺は、千尋を愛そうとした。


いや、愛せると確信していた。


だけど……。



やはり千尋は、あの頃の千尋ではない。


俺はきっと、あの頃の千尋を愛していた。



出逢うタイミングは、本当に重要だと思う。



そして、お互いの気持ちが動いて寄り添う。


それは、本当に奇跡のように思えた。



カラダを重ねただけでは、意味がない。


本当の意味で、心を重ねたい……。



俺は、自分の心に正直に居たい。


愛されるよりも、愛したい……。



それが、俺が出した結論だ。



いつの間にか、桜も散ってしまった……。


でも、そこには真新しい緑色の葉が産まれている。



桜の花の鮮やかさに負けない新緑が、夜の闇の中でも鮮やかに感じられた。



俺は、もう迷わない……。



俺は、いま逢いたい女に逢うんだ。