76
俺は、本当は……誰かを本気で愛そうとなんてしていない。
それは、きっと間違いのない真実だ。
何かのキッカケで出逢って、心が少し通い合う。
カラダを重ねることは、実は大した意味なんてないんだ。
俺が欲しいのは、俺を想ってくれる女だ。
俺だけを見て、俺だけを大切にしてくれる。
そんな、女が……。
こんなバカなことをしている俺が、愛される訳なんてない。
そのことも、良く分かっていた。
ふぅっと、ひとつ息を吐いて俺はケータイに届いたメールを確認する。
えっ……!?
そんな、バカな……。
それは、1年以上ぶりに届いた琴音からのメールだった。
俺は、急いで内容を確認する。
Sub : 久しぶり、トモ……
久しぶりだね、元気?
琴音です。
突然メールしてごめんね。
ちょっとトモと話したくて……。
良かったら、電話くれないかな……。
ずっと、待ってるから。
琴音
俺は、呆然とケータイの液晶画面を見つめる。
なぜ、急に琴音が、俺に……!?
俺は動揺しながらも、少しだけ嬉しかった。