73
琴音に似ている和奏は、やはり琴音とは違う。
それは最初から分かっていたことだった。
俺は琴音に似ているからこそ、和奏に惹かれた。
それも間違いのない事実だった。
和奏を抱きながら、俺は琴音のカラダを想った。
しかし、もう琴音とのことも良く思い出せない気がしていた。
昔見た夢は、少しずつ薄れて行く。
その感覚も、感触も全て……。
しかし、それらが薄れれば薄れるほど感情のみが濃くなる。
そう。
琴音が俺にとってかけがえのない存在だった、と。
しかし、本当にそうなのだろうか?
俺は最近、よくそう思うようになっていた。
俺は、ずっと夢を見ているのかもしれない。
ずっと、覚めなかった甘い夢を……。
琴音を失って、俺は少しおかしくなってしまったのかもしれない。
気持ちの上では拒否しながらも……俺は琴音を探し求めている。
いや、そう思い込もうとしているのかもしれない。
いずれにしても、あとひとりで7人の女が揃う。
一週間、7日で7人の女。
そして俺の目標は、7日連続で違う女と寝ることだ。
そうすれば俺は、琴音の呪縛から抜け出せる。
きっと、そうなんだ……。
俺は、土曜日には和奏に逢う。
琴音に似ている和奏に、あの頃見た夢を重ねながら……。