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和奏の部屋に入る。



アジアンテイストで、ナチュラルウッドのインテリア。


観葉植物にも手入れがゆき届いていた。



へぇ、しっかりした子なんだな……。



俺は、心の中で素直に感心した。



「あっ、何か飲みます?」


「うん……何でも良いけど、冷たいものがいいかな……」



俺は、珍しく喉がカラカラだった。



和奏との、これからのことを考えると……。


俺の喉は自然と乾いていたのだ。



和奏は小さなキッチンで、グラスに冷たい麦茶を入れた。


そしてそれを、トレイに載せてガラスのテーブルに運ぶ。



「はい! あっ、ちょっと待っててね!」



和奏は嬉しそうに言って、キッチンの引き出しからコルクのコースターを持ってくる。



可愛い子だな、和奏は……。



そんな気遣いをしてくれる和奏が、俺は愛しかった。



「ご飯、食べましょうか? ちょっと待っててくださいね!」



そう言って和奏は、キッチンへと立つ。



俺は、そんな和奏の手を取って引き寄せる。



「あっ……」



そう小さな声を上げた和奏を、俺はギュッと抱き締める。



そして和奏が、俺の耳元で囁いたんだ。



「もう少し、このままで居ていい?」



返事を返す代わりに、俺は和奏の甘い唇を優しく奪った。