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「……そんなに似てますか、わたし……」
和奏は、そう言って困ったような顔をする。
「あっ、ゴメン……本当に似てるんだ……失礼だよね、こんなこと言って……」
「いいえ……でも……いいなぁ、って思って……」
「うん? 何がいいの?」
和奏は、微笑みながら言葉を続ける。
「それだけ愛されてるって事ですよね。わたしに似てる、その方は……」
「いや、そうじゃないよ……もう昔のこと……終わったことだから」
「そうかな……そうは思えないんだけど……あっ、ごめんなさい!」
和奏は、今度は申し訳なさそうな顔をして俺を見つめていた。
琴音のことは、もう終わったことだ。
それは、間違いのない事実だった。
でも……。
確かに和奏が言うように、俺には終わっていないのかもしれない。
だからこそ俺は、あのとき和奏を捕まえた。
琴音だと、間違えて……。
俺は、和奏を見つめる。
和奏は、琴音に本当に良く似ていた。
世の中には、そっくりな人が3人いるというが……。
琴音にそっくりなひとりが、いま俺の目の前にいる訳だ。
でも、和奏は琴音とは違う。
きっと和奏は、琴音よりも優しいだろう。
「いや、君は全然違うんだ……話していて良く分かった……」
そう言った俺に、和奏はキョトンとして小首を傾げる。
「違うから……俺は……もっと君を知りたくなった……」
そのとき和奏は驚いたような顔をしながら、それでも恥ずかしそうに頬を赤らめた。