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そんな美雨の視線に、俺は動揺する。



そんな目で見つめられると……一緒に居たくなっちゃうじゃないか……。



「……一緒に居たいの?……じゃあ、一緒に居ようか……」



そのとき美雨は、目を輝かせてニッコリと笑った。



「……じゃあ、美雨の部屋に行こうかな……どう?」


「……いいよ。あのね、今日……部屋片付けて来たの……」



えっ?



美雨の意外な言葉に、俺は自分の耳を疑った。



「そう、か……分かった……行こうか?」



美雨は、ゆっくりと頷いた。



俺と美雨は、手を繋いで夜の街を歩く。



しかし……美雨は、最初から俺を部屋に呼ぶつもりだったのだろうか……。



いや……そんなことはないよな……。



逢ったこともないのに、そんなはずはない。


部屋を片付けた、というのは……。


もし、それが本当だとしたら……。



こんな可愛い子が、俺に好意を寄せてくれている。


そして、俺を部屋に呼びたいと思ってくれる。



そのことだけでも、俺にはとても幸せなことだ。



それだけで、もう十分だ……。



そんなことを考えながら、俺は美雨のペースに合わせてゆっくりと歩く。



俺は、千尋を愛そうとしていた。


そう思っていた。



だけど、俺は……。