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俺は、本当に何の期待もしていなかった。



本当に、美雨に逢うまでは……。



その、金曜日。


俺は仕事が長引いてしまって、会社を出たのが夜の8時を過ぎていた。



しまった……。


でも美雨に連絡を取る手段は、ブログのメッセージしかない。



俺は、メッセージで待ち合わせに遅れることを美雨に伝えた。


でも、美雨が見なかったとしたら悪いな……。



こうなるんだったら、ケータイ番号とメアドを訊いておけば良かった……。



俺は少し焦りながら、待ち合わせ場所のカフェへと急ぐ。



駅に着いたのは、約束の時間を50分過ぎた頃だった。



美雨は居るだろうか……?



カフェに飛び込んだ俺は、美雨の姿を探す。


居ない、か……。



さすがに一時間も遅れてしまったら、呆れて帰ってしまうだろう。


悪いことをしたな……。


メッセージで謝っとくか……。



席に座った俺は、暖かいカフェオレを注文する。



ケータイを取り出して、美雨のブログにアクセスする。


そして俺は、美雨へのメッセージを書き始めた。



そのとき、俺の背中から可愛らしい声が聞こえて来た。



「お仕事……お疲れ様でした! 来てくれたんだね! あー良かったぁ!」



振り向くと、そこには可愛らしい少女が立っていた。



「えっ? 美雨、ちゃん……?」



俺は、美雨の姿を見てあっけに取られていた。