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俺は、優しく千尋を抱き締める。



俺は、もしかしたら本当に千尋を愛してしまうかもしれない……。



そんなことを感じながら、俺の心は揺れていた。



俺は、7人の女を揃えようとしている。



そんないい加減な気持ちで、千尋に向かい合うのが嫌だった。



俺は、とりあえず7人の女を揃えて……その女と、毎日寝る。



それを目標にしていた。



それだけの女が居れば、俺はきっと琴音を忘れられる。


そう、思っていた。



だけど、女が増える度に俺の葛藤も増えて行く。



本当のことを言えば、俺にはどの女も大切だった。


茜も、凛も、綾乃も……。



でも俺は、千尋に再び出逢ってしまった。


こんな状況で、千尋に……。



大切に思うが故に、千尋に対して踏み込めない。



俺は、そんな気持ちだった。



「ねぇ、先輩……ううん、智樹くん……」


「んっ? どうした、千尋?」



千尋が、涙目で俺を見つめている。



「わたしね……また同じように自分の気持ちを押し付けてるよね?」


「バカだな、千尋……そんなこと、ないよ……」



俺は千尋を抱き寄せて、ゆっくりと千尋の舌に俺の舌を絡める。



「いま、俺は……お前のことしか考えられない……」



そのまま、俺たちはゆっくりと部屋の奥に進む。



ベッドに倒れ込みながら、俺は千尋の首筋に優しく舌を這わせた。