35
フラフラとエレベーターに乗った俺は、綾乃の正面に立つ。
背中でドアが閉まるのを感じる。
俺は、優しく綾乃を抱きしめて耳元で囁いた。
「綾乃……ずっと捜してたんだ……」
綾乃は、驚いたように俺を見つめていた。
そして綾乃が、ゆっくりと口を開く。
「わたしも……逢いたかった……」
俺は、綾乃を抱く腕に少しだけ力を込める。
綾乃のカラダの柔らかさを感じる。
綾乃のニオイ……。
俺は綾乃の髪を優しく撫でながら、綾乃の大きな瞳をじっと見つめた。
そして、綾乃の瞳がゆっくりと閉じたのを合図に。
俺は、優しく綾乃の唇を奪った。
その日、俺は綾乃と汐留で待ち合わせた。
シティセンターの41階に上がる。
そして、俺たちはレストランバーに入った。
そこからの夜景は、素晴らしかった。
東京という街の息遣いを、美しい光で感じられる場所だ。
俺と綾乃は、カウンターに隣り合って座る。
そして、生ビールのグラスで乾杯した。
「……どうしてたの? 一週間も姿を見なかったよ!」
そう訊いた俺に、綾乃はゆっくりと答えた。