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まいったな……。
俺は、思いのほか混んでいた公園で独り立ち尽くす。
まぁ、しょうがないか……。
ベンチは諦めよう……。
俺は、階段横にある石垣に腰掛ける。
弁当をビニールの袋から取り出して、膝の上に置いた。
あぁ、それにしても今日はいい天気だな……。
俺は青空を見上げて、ふぅっとひとつ息を吐いた。
「お隣、座ってもいいですか?」
突然そう掛けられた声に、俺は面食らう。
声をした方を見ると、小柄で可愛い女の子がニコニコしながら立っていた。
「あぁ……もちろん! どうぞ!」
俺は、にこやかにそう言った。
この子って……。
同じビルの子だよな……。
何度か見かけたことがある……。
いつもニコニコしてて、明るい感じだよな。
もちろん、はしゃぐわけでもなく落ち着いた明るさというのか……。
若く見えるけど20代半ば、かな……。
小柄で可愛い子は、俺の大好物だ。
とはいえ、ホイホイと声を掛けるほど俺は軽くはない。
それに、独りの時間を楽しむためにここに来たんだ。
そんなことを考えながら、俺は紙で出来た弁当の箱を開ける。
うわっ! 今日も旨そうだな……。
「ホント! 美味しそうですね!」
そのとき俺のすぐ横に、綾乃が同じ弁当の箱を持って立っていた。